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リファラル採用の本質は「魅力的な会社作り」。全社員が採用に取り組むために必要なこととは?【Refcome清水代表インタビュー】

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皆様、こんにちは。リファラルリクルーティング株式会社の石川です。

今回は前回に続き、リファラル採用サービス「Refcome」を運営する株式会社リフカムの清水社長との対談をお伝えします。

エンゲージメントとリファラル採用の関係性

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写真左:株式会社リフカム 代表取締役 清水 巧氏(以下、清水)
明治大学経営学部卒。事業を手段として世界を変えようとする会社に憧れ、Sansan株式会社に入社。

カスタマーサクセス部の立ち上げを経験し、2014年に同社設立。自身が課題に感じた「スタートアップ企業の仲間集め」を解決するサービス「Combinator」の立上げを行うもマネタイズに失敗。
紆余曲折を経て、リファラル採用を活性化するクラウド「Refcome」を展開するに至る。

写真右:リファラルリクルーティング株式会社 取締役 石川哲也(以下、石川)

石川:
リファラル採用を話す上で、切り離せないテーマは、やっぱり社員のエンゲージメントですよね?

清水:
そうですね、それはやっぱり切っても切れないとこですよね。

石川:
Refcomeでは、エンゲージメントを可視化されるサービスもやってらっしゃるじゃないですか。大体平均でeNPSってどれくらいの数値が出るもんなんですか?
※eNPSとは「Employee Net Promoter Score」の略。
従業員ロイヤルティ(職場に対する愛着・信頼の度合い)を数値化する指標。

清水:
大体平均すると推奨値と批判値を差し引いて、0となるところが多い印象です。飲食店で店舗を複数展開されてらっしゃると、店舗ごとにリファラルの協力率が全然違ったりするんです。
A店は全然紹介してくれない、でもB店では紹介してくれるとか。

気になってデータを取ってみるとA店のNPS値は低く、マイナス20とか30が出てます。
B店の場合は0ぐらいです。内訳を見るとA店は非常に忙しく、つらい、厳しい環境ということがわかりました。

石川:
そのお店、ちょっと行きづらい感しますね(笑)注文するのが申し訳ないような。
結果、マイナス20から0って、20ポイントも差が生まれるものなんですね。

清水:
そうですね、割とハッキリ出ます。ちょっと面白かったのが、店舗ごとにリファラルの協力率をランキングにするという施策を本社で行っていただいて、全店舗に周知いただきました。そうすると2つ大きな変化が起きました。

1つ目は、店長さんが、アルバイトに対してリファラル採用の協力率上げるための施策として、ポスターを貼ったり、「紹介してよ」とアルバイトにお願いするケースが増えました。
2つ目は、「そもそも紹介したい店舗にしないとダメだよな」という風に考えてくれるようになったんです。
リファラル施策の活性化と、「良い店舗にしよう」という両方を一緒に進めてくれるようになった、というところが非常に嬉しかったですね。

石川:
それは素晴らしいですね!!
よく離職率を改善するためにeNPSとか従業員意識調査とかとったりしますけど、
もっと手前の段階で、採用や魅力的な会社づくりのためにeNPSをとるようにしないいけないですよね。eNPSをとり始めるとその現場のマネージャー、そこでいくと店舗の店長さんの意識が変わったということですね。

清水:
マネージャークラスの方は、採用と会社づくりの両方ができる、と考えています。
営業に例えると分かりやすいと思うんです。営業マンは、売ることと、こういう理由で売れなかったから商品をこう良くしてほしい、といったことと両方できるじゃないですか。それが良いと思っていて。

対して採用は、良い会社作りをする組織開発と採用業務の担当が、完全に別々になっています。
構造の問題で、PDCAが回しにくいと思うんですよね。
なので現場に近いマネージャークラスの方に動いてもらえるということは、現場をより良くすることもお願いできるし、単純に紹介依頼を現場でやってくれる、リファラル採用の施策的な効果も高いといった2つの意味があると思うんです。

現場の店舗さんごとの店舗雰囲気作りとかって店長さんが行うことが多いじゃないですか。リファラル採用のメリットは、良い職場づくりと採用活動を一緒に回していける、というところが一つであると感じています。

リファラル採用の本質は魅力的な会社づくり

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石川:
結局、リファラル採用に本気で取り組むっていうのは「魅力的な会社づくり」に本気で取り組むってことと同義でなくてはならない、と思っています。今までのような媒体に出したりだとか、あるいはエージェントを使ったりというのは、直接求職者から会社に対するフィードバックを、実はもらいづらい採用手法になってしまっていたと思うんです。
モノを売る話で例えると、代理店販売中心になり、商品に対するフィードバックが入ってこないので、商品改善が上手くいかないってことと一緒だと感じています。
リファラル採用って自分たちの足で直接求職者を、つまりお客さんを見つけて、実際に会社を売り込んでいき、売れなったら売れない理由が分かる、売れたら売れた理由が分かる、っていうフィードバックを直接もらえる仕組みじゃないですか。
現場でお客様を支援する中で、リファラル採用は魅力的な会社作りの原点回帰のように感じています。

清水:
そうですね、フィードバックをもらったときに現場を変えられる現場に近い方が関わっていることが大事ですね。人事だけで行う場合だと「分かってはいつつも動けない」といった場合もあるのではないかと思っています。

石川:
ですよね。
だからこそ我々のプロジェクト型での支援では、会社を変えられる一番の決定者・決裁者である社長がプロジェクトに入ってる、っていうのがポイントになります。
求職者から得たフィードバックを無視せず、会社の改善に反映していける人を巻き込めているということです。

清水:
確かにそうですね!

石川:
先ほどの店舗の店長さんがeNPSを見てから自分で店舗改善をしていく、って話をされてたと思うんですが、我々の支援では、アピールブックっていう、自社のすべてを見える化してメンバーや社員が、社長と同じようなレベルで友人・知人を口説けるようにするためのツールを作ります。
魅力と課題の洗い出しをするんですけど、課題は赤裸々に出ます。
例えば、「管理職の中には部下のことを大切にしない人もいる」「信頼できない管理職がいる」とか。実際にその課題があるせいで自分の大切な友人・知人に自社を紹介できない程の重大な課題の場合、その場で一緒に解決していく、という流れになるんですよね。

清水:
おお、ステキな取り組みですね。

石川:
そうなると、社長と管理職の方を巻き込みながら本質的に解決していく、というかたちになりますね。
場合によってはポジションの変更だとかの抜本的な改善もできる。
中小ベンチャーの場合はそれができる、っていう感じですね。
メガベンチャーとか中堅規模の会社さんになると改善しようって、動けるものですかね?

清水:
スピードは多少遅くなってしまうこともあると思います。規模が大きい分、根本的な課題があったとするとやりづらいですよね。例えばポジション変更とかが必要だとすると、物理的に難しいケースがやっぱりありますね。
でも、まずはeNPSをとることで会社や部署の状態を数字で見えるようにすることができる。そこから現場のマネージャーが少しずつ変えていくことで良い職場づくりを回していけると思います。

石川:
なるほどですね!確かに、現場のマネージャーの方も自分のチームの働く環境を変えていくことができますね。

リファラル採用の壁は採用と現業の分離

清水:
一緒に働きたい人は現場の社員の方が考えやすいんですよね。現場の人が自ら一緒に働いてて成果も出すし一緒にいてほしい人を呼ぶべきだと思っています。
それができないのはなぜか?と考えると、「そもそも自社を紹介したくない」か「採用と現業が分業されている」の2つが理由となっていることがほとんどのように感じます。

かつて採用サービスが出来る前は、自分たちが「人を呼んでこないと採用はできない」、といった世界観だったと言われています。

石川:
分かります、その感じ。

清水:
それが気づいたら、採用は現場ではなく人事がやること、媒体に掲載すれば採用は出来るものとして、分業や最適化が進んでいくようになったのではないでしょうか。

石川:
いやあ本当、仰る通りだと思っています。日本は世界でも異様に求人媒体が発展してると思います。
エージェントも当然発展した、という中ですごい採用が効率的に回るようになったという最高のメリットと、弊害として採用が現場の人から取り上げられてしまったっていう側面がやっぱりあったと思いますね。

清水:
あらゆる採用サービスの誕生によって今まで起こり得なかったマッチングが起こるようになり、世の中は良くなったと思います。ただ、その中で新しい課題も生まれているということですね。

石川:
我々の会社の存在意義は「採用に悩む社長に、最高の仲間がドンドン集まる喜びを届ける」です。
清水社長の想いとウチの想いは本当に一緒だなあって思うんです。
自分で「こいつと働いたら楽しそうだな、もっと良い仕事できそうだな」っていう人を集めてくる、そういうふうに思える社員って結局会社に対して、主体性がある・自分ごと化が出来ていると思います。自分で会社を良くしていくんだ、という思いがあるということです。そういう人が増えていくようにしたいですよね。

清水:
そうですよね。

今後の採用環境

石川:
ネットが発展し求職者は情報をめちゃくちゃ得やすくなった、さらに労働市場が売り手市場という中で、
自分で会社を選別できる時代になってきています。
そうなって結局、とにかく採用にお金をかけようという会社ではなく、本質的に社員が「紹介したい」って思うような魅力がある会社、社員のエンゲージメントを高く保っている会社が、より採用で一人勝ちしてく世界になっていくんじゃないか?という読みが自分の中にはあります。

自社の魅力を上げながら、最高の仲間を集める、最高の仲間が集まれば事業も伸びていく、結果さらに自社の魅力が上がる、という「良い循環にいる会社」を世の中にどんどん増やしていきたいな、って考えています。

これも多分リフカムさんと考えていることは一緒だと思うんですよね。そういう世界を2020年、2025年に向けて作っていきたい思いがあります。

清水:
そうですよね。外部の環境の中でそういった状況が進むであろう要因が2つあると思うんです。
1つ目は、SNSなどの口コミで企業やサービスの評価が透明化されてくることで、悪いことをしている会社・悪い商品は事前に分かるようになっていますよね。
2つ目は、労働人口がどんどん減ってきている中で、多くの会社さんは、採用の獲得単価を注視するようになりました。
しかし、次はLTV(ライフタイムバリュー)を注視するようになるはずです。つまり、社員の勤続年数や継続率の話になっていくと思っています。採用できた社員がどれだけ働き続けてくれるか、一人当たりを採用するコスト以上に、一人辞める話の方がはるかに大きなデメリットだと思います。その際には、労働人口がどんどん減っていく中で、採用単価の上昇もありますが、そもそも辞めるところをちゃんと抑えて「継続的に働いてもらえる」ということを考えるようになるはずです。

石川:
なるほど、そもそも辞めるところをおさえるべきってことですね。

清水:
PDCAをちゃんと回すことがビジネスの前提だと思うんです。マーケティングの世界でも、顧客の獲得単価の話があって、LTVの話に流れていった、といった経緯があります。それが3年ぐらい遅れて採用の世界にも来るのではないでしょうか。

石川:
採用は若干レガシーな業界ですからね(笑)

清水:
結果、口コミ・透明性が求められているところと離職率・LTVを最大化しなくてはいけない、という表裏一体の話かと思います。

石川:
なるほど。LTVの話は、ほんと共感できます。
上手くいく企業はいい循環でどんどん上手くいく、要はLTVが高い企業ってのは結局働いていて、魅力を感じる企業ですよね。

逆に、悪循環っていうのもかなり強烈にあると思っていて、悪循環は回っちゃうとかなりしんどいなと思ってまして。LTVが低い中でいくと、リファラル採用は上手くいきづらい、魅力とエンゲージメントが低い、お金を費やして媒体やエージェントに頼らざるを得ないということになります。
でも、結局魅力がないので、採れない、あるいは採れても辞めてしまう。そうなるとまた媒体とエージェントに頼らなくてはいけない。
そういう悪循環にはまっちゃうと、本当しんどいなって感じます。
これを良い循環に変えてくためのポイントって、本腰入れて魅力的な会社作りをするか?エンゲージメントを上げていくか?そしてLTVを上げていくか?というところしかないですよね。
私は、リファラル採用に本気で取り組むことでそのスイッチを入れることができると思っているんですよね。

清水:
そうですね。バケツに水を注ぐ作業とふさぐ作業がありますよね。セールスで例えると、あるAというプロダクトが非常に悪いプロダクトであると、でも営業が強いから、大量に案件を受注しようと。その場合、それを知った会社さんが、口コミとして発信することでAの受注難易度はますます難しくなっていく。そういう世の中ですよね。笑

石川:
そうなんですよねえ。

清水:
だとしたら、そもそも今の段階でちゃんと採って辞めない良い会社の状態にしないといけません。後になればなるほど採用はキツくなっていくよね、というように営業と採用の話は、置き換えが出来るかと思います。

石川:いやあそうなんですよねえ。早いタイミングから手を打つことが重要ですね。

最後に

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いかがでしたか?リファラル採用の話から今後の採用事情はどうなるかまで展開してまいりました。

リファラル採用は採用媒体、人材紹介に次ぐ、採用手法であるだけでなく、会社の魅力作りや現場のマネージャーの当事者意識醸成にも寄与する施策です。

リファラル採用にお困りの方がいらっしゃれば是非我々にお問い合わせください。

それではまた。

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