こんにちは。リファラルリクルーティング株式会社の石川です。
最近、リファラル採用というキーワードはネットでもよく見かけるようになってきましたが、まだまだ社員紹介制度の導入と社員への周知のみの活動となっており、上手くいかないな~と悩んでいる会社も多いようです・・・。
弊社のリファラル採用コンサルティングでは、単に社員に友人・知人を紹介してくださいと周知活動をするだけでなく、会社の魅力が見える化された資料、「アピールブック」を作成することをお勧めしています。
アピールブックがあれば、社員が友人に対して「うちはこういう会社だよ!」「こんなとこが魅力だよ!」と自社を適切にアピールできるようになります。
またアピールブックには他にも社員のエンゲージメント強化にも効果を発揮します。今回はアピールブックの概要と、その副次的な効果について説明します。
アピールブックとは?
アピールブックとは以下のような項目をまとめた冊子のことです。
アピールブックは、会社の魅力だけではなく、課題や経営計画、人事制度の詳細までが載っている資料です。つまり、会社の中身を全て見える化してしまう資料です。
ここまで会社の中身をオープンにして採用活動を行うので、通常の採用と比べるとマッチング率が高まり、入社後の退職率が下がることはご理解いただけると思います。
また、アピールブックは経営者だけで作成するものではなく、社員を巻き込んで作成する一つのプロジェクト作業でもあります。会社の魅力は経営者目線だけではなく、社員の目線を盛り込む必要があるからです。
アピールブックは社員のエンゲージメント強化につながる?
アピールブックはリファラル採用以外の面でも会社にとても大きなメリットを与える優れものです。
それは、社員のエンゲージメント強化です。エンゲージメント(Engagement)とは、直訳すると「雇用」や「契約」などの意味を指しますが、組織論やマーケティング論の中では「愛着」「関係性が密接である」などの解釈がなされています。
企業には様々なステークホルダーが存在しますが、重要な一つが「社員」ですよね。社員のエンゲージメント、つまり愛着心であったり、社員の人生と会社の仕事の関係性を密接に感じてもらうことは経営者として課題に感じている方も多いのではないでしょうか。
社員のエンゲージメントを強化することで、自社に愛着心を持つ社員を増やし、会社の組織力を高めることができます。
特にリファラル採用においては社員が友人・知人に対して自社の魅力を伝える活動になります。そもそもエンゲージメントが高くない社員はリファラル採用に取り掛かってくれるでしょうか。
そうです。社員のエンゲージメント強化なくして、リファラル採用の成功もないのです。
では具体的にアピールブックがどのように社員のエンゲージメント強化に作用するのかを4つの側面からご紹介します。
①あらゆる角度から会社の魅力を見る機会となり、自社の真の魅力を認識できる
アピールブックの肝となる要素は会社の魅力を紹介するページです。
うちの会社の魅力はどこにあるのか?他社とは何がちがうのか?について経営者と社員が意見交換し、要素の構造化とキャッチコピー化をします。
会社の魅力は、どの立場で働いているのかによって感じ方や捉え方が変わります。そのため、実は経営者ですら会社全体の魅力を正しく認識できていないことがあります。
現場で働く社員の目線、管理職の目線、幹部の目線、社長の目線から見えている魅力を全て洗い出し意見交換することで、自社の真の魅力が見えてきます。
また、改めてこういった機会を設けることで、普段は当たり前のように感じていたことが実は他社にはない魅力だったという新たな発見をすることにもつながり、それが自社への愛着、つまりエンゲージメントを上げることにつながります。
②経営計画づくりに参加することで、会社の目指すべき姿が浸透する
経営計画を作成しているにも関わらず、うちの会社には経営計画がないと社員が思っていることがあります。
その理由としては、そもそも社員に開示していない、見せてはいるが分かりにくく伝わっていない、見せたとしても年に1度の発表のみで社員が忘れてしまう、などが挙げられます。
経営計画などのような会社の目指すべき姿が社員に浸透するためには、作成段階から社員を巻き込むことを弊社はおすすめしております。
アピールブックには会社の経営計画も盛り込まれます。実際の経営計画をもとにどのようにアピールブックに盛り込むかを社員が考え、会話をすることで社員への浸透が進みます。
社員が会社への愛着心を抱く一つの要素は、会社の将来性です。アピールブックを通して会社が今後どうなるのかを社員が考えることがエンゲージメント強化の一つの切り口となります。
③自社の人事制度について理解・浸透できる
社員が会社への関係性を密接に感じる要素として人事制度は欠かせません。なぜならば社員自身の人生に密接に関係しているからです。
ですが、賃金制度や人事評価制度、能力開発制度、福利厚生制度の内容をしっかりと理解できている社員は全社員のうち何%くらいいらっしゃるでしょうか?恐らく人事制度の構築に携わった方以外は、評価者である管理職でさえ、正しく理解できていないことがあるのではないでしょうか。
アピールブックには、各種制度のポイントを求職者が見てわかいやすいように1枚にまとめます。シンプルに1枚でまとめることで、社員が理解することができ、全社への浸透をはかることができます。
④活用の場が多岐にわたり、社員の目につく機会が多い
アピールブックは活用する機会が多いため、その分会社の魅力や各種制度などの浸透のスピードも早くなります。アピールブックを読めば読むほど、語れば語るほど、社員のアピールブックへの理解度が高まります。
リファラル採用活動時に社員が友人・知人にアピールブックを使うこと以外に想定される場面としては、通常の採用活動の説明会や面接時、内定者の親(家族)、既存社員のご家族に対しての自社説明、お客様・取引先への会社紹介と多岐にわたります。
また、社内では定例会議で全社員へアピールブックの内容を共有する場を設けることや部署・チームごとの会議で経営計画の進捗確認などを行うことも効果的です。
こういった様々な場面でアピールブックを人に説明することで、自分がよく理解できていない部分が明らかになります。特に、友人や家族の場合は、遠慮なく「ここはどうなっているの?ちょっとわかりにくいなあ・・・」などの率直な質問や意見を投げかけられます。そこで答えられなかったことをプロジェクトミーティングで共有し、疑問を解消することで、さらに深い理解につながります。
まとめ
以上のようにアピールブックを活用することで採用だけでなく、社員のエンゲージメント強化のツールにもなり、組織力の向上に役立ちます。
最近、社員の数が増えてきて組織力が弱まってきている気がするな~とお悩みの社長、組織力を高める上でアピールブックの作成はとても効果的です。
ぜひ取り組んでみてはいかがでしょうか?