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社員紹介制度導入の注意点と成功させるための3つのポイント

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はじめまして。リファラルリクルーティング株式会社の井上麻衣と申します。普段は中小企業やベンチャー企業の経営者の方々にリファラル採用のお手伝いをさせていただいています。

リファラル採用の話題になると、「うちの会社は社員紹介制度を設けて、社員にリファラル採用の促進をしていますよ」という社長・人事部長がほとんどです。しかし、「効果はどうですか?」とお尋ねすると、ほとんどの会社がいまいちな反応を示されます。

今回は「社員紹介制度を用意しただけでは、リファラル採用が成功しない2つの理由」をお伝えします。

社員紹介制度の基本と法律に関する注意点

社員紹介制度は、企業が社員に対して自社への人材紹介(リファラル採用)を奨励、推進するための仕組みです。リファラル採用は文字通り社員が関係を持つ人材を自社に紹介してもらい、結果として採用に繋がる可能性のあるチャネルです。採用広告や人材紹介経由で人を募集するよりも既に一人の社員と繋がりがあるため、選考の早期化、会社組織への組織化の早期化、採用コストの低減はもちろん、会社の理念や大切にしていることに共感している人が採用しやすいメリットがあります。

社員紹介制度としてよく挙げられるものが「紹介報酬金」です。簡単に言えば「あなたが紹介してくれた人が入社したら◯◯円を報酬として付与します」というものです。

しかし報酬金の設定には法令に関する注意が必要です。本来、人材紹介という業務は国許認可事業です。つまりお金をとって人材を紹介する業務は免許が必要ということです。そのため社員紹介制度として報酬金を設定したい場合は就業規則や社員紹介規定などの書面にてその仕組みを明文化し、人材紹介業務ではなく、本業務を遂行する上での一つの手当であることを明記している会社もあります。(目標達成をした場合の手当等と同じ扱い)

手当として設定する金額ですが、人材紹介業務ではない形を取るため、人材紹介会社に支払う紹介手数料の相場を下回った金額に設定する場合が多いです。紹介手数料率は大手人材紹介会社が年収の35%、新卒や第二新卒紹介会社の場合20%等のこともあるので紹介経由で入社する人の役職や等級に応じて変化するような形で設定します。

社員紹介制度が失敗する2つの理由

それでは実際に社員紹介制度を作ったけどなかなか社員が紹介をしてくれない場合どんな理由が考えられるのかを2つに絞ってお伝えします。

ではなぜ社員紹介制度がうまくいかないのでしょうか。その原因を2つお伝えします。

1. 社員にとって採用活動が「自分ゴト」になっていない

残念ながら、社員紹介制度を告知しただけでは、社員が採用活動を「自分の仕事(役割)」という認識を持つことはありません。

社員紹介制度の告知を聞いた社員の気持ちを考えてみましょう。

人事 「これから弊社では、社員紹介制度というものを新しく設けます。皆様の知り合いで、当社に転職を希望する方がいたら、ぜひ紹介してください。その方の入社が決まりましたら、皆様へのお礼として20万円をプレゼントいたします。ご協力お願いいたします」

社員A:「え!友達入社したら20万円ももらえるの?すごいな!誰かいるかな~・・・
あ、あいつ誘ってみようかな~・・・」

社員B:「へー、友達入社すると20万円もらえるのかー、まあでも誘える人いないしなー・・・、
関係ないな~・・・」

社員C:「へー、20万円ももらえるのかー、でもうちみたいな会社に友達誘うなんて誰が
するんだろう・・・」

さて、Aさん、Bさん、Cさんのうち、実際に知人を会社に紹介をしてくれるのは誰だと思いますか?

実は、誰も紹介しません!

「え!Aさんもしないの?」と思われたかもしれませんが、Aさんが頭で思い浮かべた友人と直近で話す機会がない限り、Aさんですら紹介に動くことはありません。Bさん、Cさんはもちろん動きません。

つまり社員紹介制度を告知するだけではなく、「社員にとってリファラル採用を自分ゴトとして認識」するための工夫が必要となります。

2. 社員は友人知人を「お金」のために利用したくない

実は、社員のリファラル採用活動を促す上で、報酬金額の高さは全く関係ありません。

報酬金額ではなく、社員が会社と社長を好きかどうかで決まります。

むしろ報酬金額を高くするとデメリットが生じます。報酬金額が高くなればなるほど「友達をお金で売る」という感覚が芽生え、リファラル採用活動の足かせになってしまいます。

また、報酬欲しさに友人・知人を紹介する社員が現れるというリスクも発生します。

社員紹介制度のキモは「社員へのしかけ方」

社員紹介制度をつくるだけでは、また報酬金額を増やすだけでは、リファラル採用は成功しないことがお分かりいただけたと思います。

でも実は、社員紹介制度が悪いのではありません。社員への「リファラル採用のしかけ方」が悪いのです!

社員紹介制度が上手く機能しなかったからといってリファラル採用が自社には合わないと諦めないでください!

では、どうすれば、社員が動き出しリファラル採用が上手くいくのでしょうか?
社員が動き出すために取り組むべきことをまとめてみました。

1. 社員紹介を「誰」にお願いするか?

社員紹介制度を始めるときは、全社員にお願いするのではなく、会社と社長を好きな社員のみ選抜し、その社員だけにリファラル採用活動の協力をあおぎましょう。

会社と社長を好きでない社員にはいくらお願いしても動いてはくれません。自分の好きじゃない会社に友人を誘おうとは思わないからです。

2. 社員紹介を「どのように」お願いするか?

社員紹介を社員にお願いをするときのポイントは2つあります。

リファラル採用活動への本気度を伝えること

リファラル採用を会社で導入するときは、会社と社長を好きな社員を集めてプロジェクトを組みましょう。

プロジェクト化をして、社員の業務に組み込むことで、社員にとって「自分ゴト」となります。

さらに、リファラル採用活動では、「どんな人を採用したいのか」「いつまでに何名の採用を目標としているか」「なぜリファラル採用なのか?」などをしっかりと伝えることで、本気度が伝わります。

どんな人(求める人材像)に声をかけてほしいかを具体的に伝えること

社員がリファラル採用活動を始めるためには、誰に声をかけるべきかを明確にする必要があります。

そのために、どんな人に来てもらいたいか?(どんな人には来てもらいたくないか?)を明確に伝えましょう。余裕があれば、一方的に社長や人事部長が設定した求める人材像を伝えるのではなく、プロジェクトメンバーにも意見をだしていただき、求める人材像の再設定を行うとより効果的です。

3. リファラル採用活動もフォローが必要

どんな仕事もフォローは大事ですよね。リファラル採用も、社員に社員紹介をお願いして終わりではありません。お願いした後のメンバーへのフォローをどれだけできるかで採用の成果は大きく変わります。

アタックリストの作成&進捗管理

リファラル採用活動への意識を継続さえるという意味で、どの友人に声をかけるかというアタックリスト(社員の友人・知人リスト)を作成してもらいます。

そして、「いつ会うか?」「会った結果どうだったか?」「次のアクションは?」という進捗管理まで行います。

「そこまでやるの?」という印象があるかもしれませんが、最初が肝心です。リファラル採用活動への意識が根付くまでは2週間に1回くらいのペースでプロジェクト会議を行うことをお勧めします。

会社の魅力を伝えるためのツールの作成

社員の方が友人・知人に声をかけるときに使える武器を用意してあげることも大切です。いま働いている会社よりもうちの会社に来たほうがいい理由がなければ、友人を口説くことはできません。

社員が感じる仕事のやりがいはもちろんですが、他社とちがった魅力や人事制度、会社の将来像などを見える化した資料を作成し、誰が活動しても同じように魅力が伝えられるようにしておきましょう。

友人の口説き方のトレーニング

誰に声をかけるかが明確で、会社の魅力をアピールできる資料があったとしても最終的には社員自身が友人と会話をするなかで、アピールをしなくてはなりません。

その際には、自社の魅力を伝えるだけでなく、相手の状況を把握するコミュニケーションが求められます。上手い話しの引き出し方や会社のアピールの仕方のトレーニングをしてあげましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。社員紹介制度を導入したけど、上手くいかなかったので、リファラル採用は自社に合わないと諦めていらっしゃる社長・人事部長には、ぜひ一度この進め方を試していただきたいと思います。

リファラル採用に興味のある方、すでに取り組んでいるけどもっと推進していきたいという方のために、「リファラル採用を始める前に押さえておきたい5つのポイント」をプレゼントしています。

弊社のリファラル採用コンサルティングでも活用している各種資料もご紹介していますので、ぜひ手に取ってみてくださいね。

それではまた次回お会いしましょう!

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