こんにちは。リファラルリクルーティング株式会社の石川です。
今回はいつもとちょっと切り口を変えて、3月と4月に開催しました「低コストで辞めない社員を採用する方法!」セミナーの一部をご紹介します。テーマは「社員の離職防止」です。45分くらいの内容を読みやすくコンパクトにまとめましたので、読んでみて興味を持たれた方は、今後のセミナーに参加いただいたり、お問い合わせいただければ幸いです。
また文末には採用に役立つ小冊子のプレゼントの案内もございます。ぜひ最後までご覧ください。
離職率は1年以内と2年以上で分けて考える
こんばんは、リファラルリクルーティング株式会社の代表の白潟です。今日のセミナーは「低コストで辞めない社員を採用する方法」というテーマでお届けしますが、経営者にとって「離職」と「採用」というキーワードは非常に関心が高いのではないでしょうか?まず前半は「離職」に絞ってお話ししたいと思います。
離職率とは、ある時点の在籍人数に対して、一定期間後に退職した人の割合です。一般的には、期初の在籍人数に対して期末までの1年間で退職した人の割合を指すことが多いのですが、「入社1年以内にどれくらい辞めたか」と「2年以上の人がどれくらい辞めたか」という2つの数値でとらえた方が実は解決策が見出しやすいので、今回はそのように分析してみたいと思います。
一般的な統計データを探してみますと、2012年のデータしかないのですが、大卒の一般的な統計データを探してみますと、2012年のデータしかないのですが、大卒の新入社員が1年以内に辞める確率が全企業規模、全業種平均で、13%。なんと新入社員の1割が1年以内に辞めています。それでは入社から2年以上の人がどれくらいで辞めるのかということですが、厚労省の雇用動向調査によりますと、1位が飲食業で30%くらい。3年で一掃する計算になります。第2位がサービス業で19.1%。5年で入れ替わる感じです。意外かもしれませんが一番少なかったのが建設業で7.7%になります。
では離職率はどれくらいが適正なのかという話ですが、わたしたちの考える理想値は入社1年以内はゼロ。1人100万円以上採用にお金をかけて採用していますのでとにかくゼロが理想です。一方2年目以降はどうかと言いますと、わたくしどもはゼロは危険なのかなと考えています。結婚、出産、介護などが理由となる離職は数%あるでしょうし、最低限の新陳代謝はあった方が良いので、5~10%はあっても良いのかなと考えています。
では、皆様方の会社の離職率はどうでしょうか?まず入社1年以内の離職率、分母は1年以内に入社した人の総数、分子は入社1年以内に辞めた人の数です。2年目以降は、皆様の会社の期首時点の社員数が分母で分子は入社後2年以上で退職した人数で計算してみて下さい。
どうして入社して、戦力になる前に辞めるのか?
採用にも教育にもお金がかかりますよね。その間、稼ぎが無いのに給与は払っています。リソースの限られた中小企業はそれだけでも大変なのに、ようやく給料分稼ぐようになったら辞めてしまうという理不尽なことは経営者なら誰しも経験しているのではないでしょうか。ここにリクナビさんが調べた、退職理由の本音ランキングという面白い調査結果があります。だいたい辞める社員は本音なんて言わずに辞めますから、皆さんの感覚値とは違う順位になっているかもしれませんが、実態を表しているのではないでしょうか?
- 1位は圧倒的に上司と社長
- 2位が労働時間と労働環境
- 3位が同僚、先輩(人間関係系)
- 4位が給料
- 5位が仕事の内容
- 以降、社長がワンマン、社風が合わない
(参考:https://next.rikunabi.com/tenshokuknowhow/archives/4982/)
まとめますと人系が43%、待遇系が30%、人と待遇で7割、残り仕事系が15%、その他が12%という割合になっています。つまり人と待遇を解決していくと離職率が理想に近づくということが言えるのではないでしょうか?
離職にいたるプロセスを理解する
では、ここからは、経営者にとって頭の痛い離職率を改善していく方法を、わたしたちがお手伝いしている会社の事例を交えながらお伝えしたいと思います。皆さんの会社に入社する方の気持ちを想像して欲しいのですが、入社前の期待と入社後の現実ってどんなパターンがあるでしょうか?3つに分けられると思います。
- 期待より現実が良かったパターン
- 期待と現実がほぼ一致
- 期待より現実が良くなかった場合
離職にいたるパターンは言うまでもなく3ですね。3の場合、新入社員は早ければ入社初日に「そんなこと聞いてない。入社前に伝えてよ」となります。これが数ヶ月にわたって蓄積すると離職という決断に至ってしまうのです。
「え、入社前に聞いていた話と違う」にならないために
では「入社前に聞いていた話と全然違う!」にならないためにどうしたら良いのでしょうか?わたくしどもの会社はコンサルで支援する会社さんには「入社後にバレる課題は全て事前に伝えましょう」とお伝えしています。
例えば「社長は説教臭い」とか「営業のプレッシャーはきつい」とか「評価制度が不明確」など遅かれ早かれバレる会社の課題はぶっちゃけ伝えてしまいましょうということです。とは言え、課題だけ伝えてしまっては誰も会社に入らなくなりますから、この課題を逆に採用に活かすためのポイントがあります。ここをはずすと失敗しますのでご注意下さい。
まず一つ目は「社長と幹部だけで課題を見える化しない」ということ。一般的に社長や幹部とこれから入社しようとする人には年齢的にも経験的にも相当なギャップがあります。ですからあえて若い人の目線を入れるために課題を見える化するときは必ず若手を入れましょうということです。しかし、若ければ誰でも良いかというとそうではありません。必ず「会社のことが好きで、前向きな気持ちで課題を出してくれる若手社員」をメンバーに入れましょう。逆に会社を好きでは無い社員が発案する批判的な意見は取り入れる必要はありません。
2つ目のポイントは「『課題』の前に『魅力』から見える化する」ということ。これは課題から入ると、できていないことばかりになり、このあとの展開がポジティブになっていかないからです。とにかく会社の魅力をドンドン出して、出し切ってから課題出しに進みましょう。
3つ目のポイントは「社長が耳の痛い提案(課題)を聴ける」です。せっかく前向きな気持ちで若手社員が勇気を出して課題を出しているのに、頭ごなしに否定したり、感情的になってしまっては「どうせ言っても無駄」というムードになり、まったく本音の課題が出なくなってしまいます。社長の立場としては辛いかもしれませんがとにかく「まずは全て聴く」という姿勢に徹して下さい。
課題のまとめかた
課題をまとめるプロセスですが、わたしたちがオススメしているのは下記のような流れです。
- 使うのは付箋だけ
- 8名くらいのメンバーで課題を一人10枚ずつ出してグルーピングしてまとめていく
- 課題を出しまくったらその課題を「1.すぐ解決する課題」「2.いずれ解決する課題」「3.解決するつもりのない課題」の3つにグルーピングしていく
この3つの中で1つ目の「1.すぐ解決する課題」はぶっちゃけません。すぐ解決できるのだから、ぶっちゃける前に解決してしまうのです。それによって、課題が魅力に瞬時に変わるのです。
まとめた課題を材料に「社長と社員の夢計画」を作る
課題をぶっちゃけるのは大事だとお伝えしましたが、ぶっちゃけるだけでは逆効果です。大事なのはぶっちゃけた課題が数年以内に解決していく方向までちゃんと見せることなんです。ポイントは「課題が解決するという安心感」「ワクワク感」です。それらを「社長と社員の夢計画」という書式にまとめます。
様式は紙1枚、ゴールの期間は会社で設定1年でも5年でも良いです。○年後に会社がどうなっているかという「ビジョン」、その結果、世の中にどういうインパクトを与えるかという「インパクト」を様式に入れて行きます。一般的な業績、拠点の数、社員数はさりげなくでよいです。メインディッシュは先ほどの課題とそれを解決していく具体的なプランですが、「これから○年間で刻まれる当社の歴史」という項目に課題解決の方向性を入れていきます。
「社長と社員の夢計画」で退職理由が消える
先ほどの社員が退職する理由と照らし合わせてみますと、この「社長と社員の夢計画」が正しく機能すると人系の課題は今すぐかいずれ解決しますし、待遇系の課題、仕事系の課題も数年以内に解決する方向性が見えてきます。つまり退職する理由のほとんどが消えてしまいます。
辞める原因の中には社風の課題がありますが、これは正直言って変える必要はありません。社風に合わない社員はそもそも入らない方がお互いのために良いのです。社風は「受け入れてもらいたい」の項目でオープンにしてお伝えすればよいです。このやりかたで採用に取り組んでいる会社は、われわれがお手伝いしている会社だけで2年間で80社から90社ありますが、なんとまだ誰も辞めてないんです。これってすごくないですか?
みなさんの会社の離職率を改善する秘策としてご参考になれば幸いです。
さいごに
いかがでしたか。社員の離職率を下げるためのポイントをお伝えしました。セミナーの後半ではリファラル採用についてご紹介しました。詳しく知りたいという方には「リファラル採用のはじめ方」をまとめた小冊子をプレゼントしています。ぜひこちらのリンクからお問い合わせください。