こんにちは。リファラルリクルーティング株式会社の石川です。
リファラル採用に取り組み成功する有名ベンチャー企業が多く存在する反面、知名度に劣る中小企業の中にはリファラル採用がうまく進まないとお悩みの経営者も多いのではないでしょうか。
会社に知名度があり、豪華なオフィス、充実した福利厚生などが完備されている場合は、社員が友人に対して「うちの人事に会ってみない?」と気軽に言うことができます。
しかし中小企業がリファラル採用を進める上で必ず当たる壁が「自社の魅力は何か?」という問いです。
今回は中小企業でもできる「自社の魅力の見える化」を実践するためのポイントをまとめました。
自社の魅力の見える化の重要性
リファラル採用は、シンプルに考えると「自社を友人・知人に紹介したいと社員に思ってもらう」、そして「その社員の話を聴いて、友人・知人に転職したい思ってもらう」の2つがそろってはじめて動き始めます。
しかし、人は本質的に自分が良いと思ったものしか友人・知人に紹介したいと思いません。
自社を友人・知人に紹介したいと社員に思ってもらうためには、社員が自社に強い魅力を感じている必要があるのです。
また、そんな社員の話を聴いて友人・知人に転職したいと思ってもらうためには、社員が自社の魅力を思いっきり伝えることができなければいけません。
そのため、リファラル採用を成功させるためには「自社の魅力の見える化」を行うことが大切になってきます。
そのうえで、社員が見える化した自社の魅力を友人・知人にどれだけ語ることができるかでリファラル採用の成否が決まります。
つまり、リファラル採用の成否はその会社の魅力で決まるというのが本質です。
しかし、中小企業にとって自社の魅力を見える化することは3つの理由から難しい作業でもあります。
社内から自社の魅力が見えにくい
魚が海の中にいることに気づかないように、会社で働く時間が長くなれば長くなるほど、ほとんどの魅力が当たり前になってしまい、自分では気づきにくくなります。
また、魅力というとどうしても「他社と比べてどうか?」ということを気にしすぎるがあまり、消極的なアイデアが多く出てしまい、「結局うちの会社には魅力が少ない」というネガティブな見方をする社員も出てきてしまうかもしれません。
自社の魅力の全体像を把握することは難しい
経営者、管理職、一般社員など、どんな立場でどんな角度から自社を見るかによって、見える魅力が違うからです。
新入社員からみた会社と、中堅からみた会社と、管理職からみたと、社長からみた会社では見える魅力・感じている魅力が変わります。実は、会社のことを一番わかっているはずの社長でも、自社の魅力の全体像を把握することは難しいのです。
魅力は目に見えるカタチのあるものではないので、共有するのが難しい
魅力は目に見えるカタチのあるものではないので、社員みんなで共有することが非常に困難です。
上記3点の理由により、自社の魅力をきちんと把握し社員に共有することができず、結果としてリファラル採用が上手くいかないというわけです。
これを解決するために、自社の魅力をきちんと洗い出し、言葉にしてまとめること、つまり「自社の魅力の見える化」をすることがリファラル採用においては非常に重要になるのです。
後述いたしますが、魅力の見える化は会社と社長を大好きなメンバーを集めて行います。
そもそも会社と社長を大好きなメンバーでさえも、自社の魅力の見える化を行うことで、気づいていなかった・言葉にできていなかった自社の魅力を発見・再認識し、もっともっと自社に魅力を感じるようになります。
そうすることで、まず彼らが自社のリファラル採用をリードしてくれる存在になります。さらに魅力を見える化すると、社員全員に共有することができるので、リファラル採用の活動が全体に広がりやすくなります。
また、自社の魅力が見える化されていることで、社員は自社の魅力を思いっきり余すことなく友人・知人に伝えることができるようになります。
リファラル採用を導入する際には紹介報奨制度をいきなりつくったりするよりも、まずはぜひ「自社の魅力の見える化」からはじめてください。
自社の魅力の見える化のポイント
リファラル採用のご支援で会社をまわっていると、「魅力の見える化が大事なのはわかりますが・・・うちにはそもそも魅力なんてないかもしれません・・・」とおっしゃる社長・人事の方にお会いすることがあります。
しかし、それは自社の魅力に自分たちで気づけていないだけです。
4つのポイントをおさえて行うことで、自社の魅力は驚くほどたくさんでてきます。1つずつそのポイントをご紹介していきます。
会社と社長のことを好きな人だけで自社の魅力の見える化プロジェクトを組む
当たり前の話ですが、会社の魅力を洗い出そう!というときに、会社と社長のことを嫌いな人からは意見が出てきません。出てくるのは、愚痴・不平・不満だけです。
そういう人はそもそもその会社に合っていない人なので、魅力の見える化のプロジェクトに入れてはいけません。そういう人の言葉に振り回されると、出てくる魅力も出てこなくなります。
自社の魅力の見える化プロジェクトは、会社と社長を好きな人だけで組むようにしてください。
ものすごく小さな魅力から、とにかくたくさん洗い出す
「自社の魅力」を考えるときに、ものすごく大きな魅力を考えようとすると(例えば〇〇業界シェアNo1とか平均年俸1,000万とか)、魅力を上手く洗い出せなくなります。
実際の会社の魅力というのは、小さなちょっとしたことの集積で出来上がります。
例えば、
・近くに行きつけの焼肉屋さんがあって、そこでプロジェクト後に飲むビールが最高!
・社長室がなくて、社長との距離が近いから会社の方針がダイレクトにわかる!
・上司が月に1度、本気で話を聴いてくれる!
・会社にPepperがいて和む!
・お客様から直接ありがとうって言ってもらえる!
・超面白い社員がいて最高!
そういう小さな魅力をとにかく洗い出していきます。小さな魅力が積み重なって1つの会社をつくっています。
肩に力をいれずに、小さな魅力、各社員が主観的に感じている魅力を洗い出していくと、会社の魅力が見えてきます。
外部の人を巻き込む
自社のことをわかってくれている外部の人を巻き込むと、自分たちでは気づかなかった魅力が見つかります。例えば、社員の家族、仲の良いお客様、長い付き合いの協力会社、支援をお願いしている士業の先生・コンサルタントなどです。そういう人に魅力の洗い出しのミーティングに入ってもらったり、インタビューさせてもらったりすると自分たちでは気づかなかった、見えていなかった魅力が見つかります。
自社らしい言葉に変える
洗い出した魅力は、似た魅力でグルーピングしていきます。グルーピングした魅力にタイトルをつけるとき、よくある表現・無難な表現でまとめるのではなく、自社らしい表現にすることが効果的です。
そうすることで、魅力を友人・知人に語る言葉に力がこもります。
例えば、
・飲み会で仕事について語り合うのが楽しい!
・社内で笑い声が多い!
・仕事で困っていると、まわりの先輩がすぐに助けてくれる!
・一人の仕事の問題をみんなで考えて解決する!
という魅力のグループのタイトルを「あたたかい社風」というよくある表現にするよりも、「暑苦しい社風」という表現にしたほうが圧倒的に自社らしさが出ます。
自社の魅力の見える化の進め方
では実際にどのように魅力の見える化を進めていけばいいのか、その手順をご紹介します。
自社の魅力の見える化はプロジェクトチームを組んで大きく4つのステップで進めていきます。
プロジェクトメンバーの選抜
先ほどお伝えしたように、メンバーは会社と社長を好きな社員だけを選抜するようにします。メンバーは社長を含めて6名くらいで構成するのがオススメです。一番動きやすく、意見交換も活発になります。多くても10名以内になるようにしてください。
また、このメンバーは今後のリファラル採用をリードしていくキーパーソンにもなりますので、会社と社長を好きな人の中でも特に採用したい人材との人脈を持っていそうな年齢、経歴を持っている社員を多めに選ぶとよいです。
ミーティング①魅力の洗い出し
選抜したメンバーで、まずは魅力の徹底的な洗い出しを行います。ホワイトボードに書き出していくよりも、ふせんを使って書き出していくとグルーピングがやりやすくなります。
前述した通り、とにかく小さな魅力から徹底的に洗い出すようにしてください。
1週間おく
魅力の洗い出しのあと、1週間ほど時間を空けます。そうすると、その1週間の間に見落としていた魅力に気づいたり、新たな魅力を発見できたりします。
この期間に外部の人に自社の魅力をインタビューするのも効果的です。
ミーティング②:魅力のグルーピングとタイトルづけ
1週間の間に新たに発見した魅力を追加した後、似た魅力をまとめていくグルーピングを行います。
グルーピングを行った後、その魅力のグループにタイトルをつけます。
自社らしさが出るタイトルをつけてください。
あとはこれを1枚の資料にまとめれば魅力の洗い出しの完成です!
まとめ
いかがだったでしょうか?
魅力の見える化はリファラル採用を大きく前進させるだけでなく、あらためて自社の姿を見直すよい機会になります!ここで見える化した魅力は、新卒採用にも使えますし、自社HPの改良にも使えます。たくさんの副次的メリットがありますので、ぜひ取り組んでみてください!
それではまた!
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