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リファラル採用とは?導入手順とコスト、メリット・デメリットについて徹底解説

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こんにちは。リファラルリクルーティング株式会社の石川です。

みなさん、リファラル採用をご存知でしょうか。

リファラル採用とは「社員に友人知人を紹介してもらって行う採用方法のこと」です。ひと昔前の言葉で言えば「縁故採用」ですね。

今回はそもそもリファラル採用とは何か、その手順、そしてコストやメリット・デメリットについて解説します。

リファラル採用とは

リファラル採用とは、簡単にいえば「社員に友人知人を紹介してもらって行う採用方法」のことです。※リファラル(referral)は「委託、紹介、推薦」といった意味です。

求人サイトや人材紹介会社といった今までの採用方法と違い、会社のことを誰よりも知っている社員が、人柄まで深く知っている友人・知人を紹介してくれるため、自社の文化にぴったりの人材の採用が期待できます。さらには、求人サイトや人材紹介会社を通さないため、採用コストも大幅に削減できます。

このリファラル採用ですが、アメリカでは多くの企業が取り組んでおり、
特に人材獲得競争が熾烈なシリコンバレーでは、リファラル採用の比率が50%を切ったら採用担当者がクビになるともいわれています。

日本でも取り組む企業が増えてきており、ビズリーチやメルカリ、エウレカ、カヤックなど成長中の有名ベンチャーがこのリファラル採用で大成功をおさめています。

さて、そんなリファラル採用ですがなぜ導入する企業が増えているのでしょうか?

リファラル採用のメリット

リファラル採用には大きく分けて5つのメリットがあります。

メリット①採用コストの大幅な削減

リファラル採用は、採用サイトへの掲載料もかかりませんし、紹介会社への手数料もかからないため基本的に採用にコストがかかりません。
※採用に成功した際に、紹介してくれた社員に報奨金等を渡す制度を取り入れた場合は、その分のコストはかかります。しかし、採用サイトの掲載料や紹介会社への手数料と比べるとかなり安く済みます。もちろん報奨金額の設定次第ですが。

さらに、直接的なコストだけでなく採用にかかる時間も削減できるケースが多いです。というのも、会社のことを誰よりも知っている社員がお墨付きをつけて紹介してくれる人材なので、通常の採用よりもリファラル採用は基本的に内定率が高くなります。結果、中小・ベンチャー企業にとって最も重要な社長や幹部の面接回数が少なくて済むというわけです。我々のお客様ですと、社長の最終面接の通過率は平均50%前後です。

メリット②会社に合う人財の採用・定着率の向上

求人サイトに書いてある情報を応募者がどれだけ読み込んでも、その会社で働く実態がつかめるわけではないですよね。
人材紹介会社のエージェントも、どれだけ自社のことをわかってくれているでしょうか?どれだけ応募者のことをわかっているでしょうか?
この世の中で、社員よりも自社のこと・そこで働くことの実態をわかっている人は、いないですよね。
そんな社員が、その人柄までよく知っている友人・知人の中から、自社に合う人を紹介してくれるのですから、当然採用の精度は非常に高くなります。

結果、定着率も自然と向上していきます。
せっかく高いコストをかけて採用したのに、「思っていたのとなんか違ったので退職します…」といった悲劇も減っていきます。

メリット③会社の魅力の向上(経営変革の実現)

リファラル採用を進めていくと、社員が声をかけた友人・知人からリアルな声が集まってきます。
例えば、
「うーん、ちょっと昇給ペースが見えないのが不安だなあ・・・」
だとか、
「未経験だから、研修制度とかしっかりしてないと、入社するの怖い・・・」

だとかこういった会社の魅力に対するリアルな声が集まります。もちろん玉石混合ですが、なかには有益な改善点も見つかります。

このリアルな声は会社の変革のヒントにもなり得ます。紹介元の社員を経由して外部の人からのリアルな評価を受けて、より働きやすい会社を目指すための一助とするのです。(もちろんすべてに対応する必要はありません)リファラル採用を推進し、社員の知人友人との面談を経験することで結果として会社の魅力の向上も実現できるというわけです。

メリット④幹部と社員が経営者目線になる

いまどんな人が会社に必要か?どんな人が入社すると会社がよくなるか?こういった人事に関わる話は、普通は経営者と一部の幹部、人事担当者しか考えないと思います。

ところがリファラル採用に関わる社員は、自然と普段からそれを考えるようになります。知人を会社に紹介するという行動は社員からするとハードルの低い行動ではありません。そのため「自社に必要な人材はどんな人材か?」「◯◯さんは自社に適切な人材か」と考えた上で紹介をします。

副次的な効果ですが、リファラル採用を推進するとその結果として幹部と社員が経営者目線に近づくことが期待できます。

メリット⑤会社の一体感の醸成

会社の理念や大切にしている価値観に共感している社員が、会社に合う人を紹介してくれるリファラル採用は、当然会社の理念や大切にしている価値観に共感する最高の仲間が入社していきます。そのため、推進していくとだんだんと会社の一体感が醸成されていきます。
いわゆる、理念経営の実現が期待できます。

いかがでしょうか?リファラル採用、良いこと尽くめですよね。
これだけ大きなメリットがあれば、リファラル採用を導入する企業が増えていることも頷けますね。

でも、当然いいことばかりじゃないんです。リファラル採用にはデメリットもありますので、その対策が必要です。

リファラル採用のデメリット

リファラル採用には大きく分けて4つのデメリットがあります。

デメリット①紹介者不採用による本人と紹介者の関係悪化

社員の大切な友人・知人を紹介されるリファラル採用では、社員の友人・知人が不採用になってしまった際に、社員と友人・知人の関係が悪化してしまうリスクがあります。そのため、不採用の通知方法はもちろんのこと、社員が友人・知人にどのように声をかけるかまで気を付けなければいけません。

面談の内容や紹介者の個人的な情報を紹介元の社員に通知することは避けるべきですが、合否の通知については紹介元の社員に先に通知するケースもあります。特に不採用の判断をする際には紹介元に知らせ、紹介者への伝え方を一緒に考えることもあります。

デメリット②同一職場での仕事による本人と紹介者の関係悪化

リファラル採用に成功すると、社員とその友人・知人の関係が、フランクに付き合っていたプライベートな関係から、ビジネスの関係に変わります。上司部下といった上下の関係になることもありますし、時には厳しいことも言わなければいけません。

このような事項に関しては面談や面接のどこかのタイミングで本人には念入りに伝えておく必要があります。

デメリット③紹介者退職時のモチベーションの低下

リファラル採用で入社した社員は、当然紹介してくれた社員と強い関係性を持っています。
そんな紹介してくれた社員が退職してしまうと、その人の紹介で入社した社員のモチベーションが低下してしまいます。場合によっては芋づる式に退職なんてことも起こるかもしれません。だからこそ、そもそもリファラル採用活動をしてもらう社員を慎重に選ばなければいけません。(選定方法は後述します)また、それでも退職が発生してしまった場合は、その人の紹介で入社した社員のケアをしっかりする必要があります。

デメリット④よくない派閥の形成

リファラル採用を、社長と心が一つでない、会社の理念や大切にしている価値観に反する社員にお願いしてしまうと、その人を中心に社内によくない派閥が形成されてしまう場合があります。最悪、会社が分裂、なんてことも起こり得ます。
やはり、そもそもリファラル採用活動をしてもらう社員を慎重に選ばなければいけません。

以上がリファラル採用で想定し、対策をとっておかなければいけない代表的なデメリットです。

リファラル採用にかかるコスト

リファラル採用は既存の採用と比べると大幅にコストがかからない!とはいっても、まったくかからないわけではありません。
また、直接的なコストではないけれど、「社員に負担がかかってしまうんじゃないの?」と心配される方もいらっしゃると思います。
以下にリファラル採用で想定しておくとよい代表的なコストを紹介していきます。

コスト①紹介報奨制度(リファラル採用成功時ボーナス)

頑張って友人・知人を紹介してくれた社員に対して、採用に成功した場合に報奨金を渡す制度を取り入れる企業が多いです。※報奨金額は会社によって様々です。
ただ、ここで一つ注意点がございます。ズバリ、報奨金額を高くしすぎないようにすることです。報奨金額が高すぎる場合、リファラル採用活動を行う社員に友人をお金で売ったような罪悪感が生まれることがあります。弊社としては、最大でも20万円以下で報奨金額を設定することをおすすめしています。

コスト②リファラル採用活動の交際費

社員がリファラル採用活動を積極的に行う場合、友人・知人と飲みにいったり、ランチをしたりといった交際費が必要になります。特にこれからリファラル採用をはじめる!という場合は、社員が動きやすくなるように、交際費を認めてあげると効果的です。

コスト③社員への時間的負担

社員への時間的負担ですが、実は心配するほどかかりません。
社員が行うのは、声をかける友人・知人のピックアップ、そしてそのあとその友人・知人に連絡をとり、ランチや飲みにいく、等の活動をしていただくだけです。
ランチや飲みに行くのも、当然毎日ではなく、2週間に1回程度の頻度になります。
なので、ランチや飲みに行く時間を1時間~3時間で想定すると、
業務時間外で月に3時間×2回の最大6時間程度の負担です。

リファラル採用の導入手順

リファラル採用のメリット/リスク、そしてかかるコストについてご紹介してきましたが、実際にどのように導入したらいいのか、導入手順についてご紹介いたします。

リファラル採用の導入ですが、よくあるのは紹介報奨制度などをつくって友人・知人の紹介を社員にお願いするというパターンです。しかし、このパターンではリファラル採用は上手くいかないことが多いです。そもそも面倒くさいと感じる社員も多いですし、リファラル採用のメリットをその目で見て、体感していないので、わざわざ動こうと思わないのです。

ではどうすればいいのか?

リファラル採用の導入を成功させるために、何よりも大切なことは「小さな成功からはじめる」ことです。

その①社長と会社を好きな幹部・社員を集めてプロジェクトを発足する

人は本質的には自分のよいと思ったものしか人に紹介しません。つまり、リファラル採用でも、社長と会社を好きな社員しか友人・知人に自社を紹介してくれません。
なのでまずは社長と会社を好きな幹部・社員を5~6人集めて、社長がプロジェクトリーダーとなって強力な推進力で3ヵ月以内に1人以上のリファラル採用を成功させます。
このプロジェクトに中で、リファラル採用をスムーズに行うためのしくみや採用制度の改良をしていきます
リファラル採用で入ってきた社員が自社にとけこむ早さや活躍をみて、他の社員もリファラル採用のメリットを感じはじめます。

その②メンバーを増やし、引き続きリファラル採用プロジェクトを推進する

リファラル採用での小さな成功を社内につくることができたら、次はそれを拡大していきます。メンバーを増やし、3ヵ月以内にさらに1人以上の採用を目指します。

ここでは、いくつかの小チームをプロジェクト内で作りリファラル採用の成功人数を競わせるなどの工夫も効果的です。
こうしてだんだんと社内にリファラル採用を浸透させていきます。

その③最後に全社員へ展開し、全員リクルーターの風土をつくる

ここまできたら、全社員へリファラル採用の実施をお願いします。
社員が十分にリファラル採用のメリットを実感していれば、社長・会社のことを好きな人は自然と動き始めます。
そしてリファラル採用が進めば進むほどメリット⑤で紹介したように、会社の理念や大切にしている価値観に共感した社員が増えていきます。結果、リファラル採用を実施してくれる社員が増えます。
そうして最後には全員が自社のリクルーターであるという風土をつくるわけです。

リファラル採用の事例

それでは最後に弊社がご支援した会社さまの事例をご紹介します。

退職者の再入社もリファラル採用

成功したいなら外せない!アルムナイ採用の2つのポイント

リファラル採用を考えるときに見落としがちな候補者として過去の退職者がいます。過去退職した人の再入社をアルムナイ採用と呼ぶことがあります。アルムナイ採用の良いところは過去に自社で働いていたため自社のことをよく知っています。即戦力であることはもちろん、他社での経験も身につけてより活躍してくれる可能性もあります。弊社がご支援する株式会社コプラスさまでは自社の魅力や課題をまとめた「アピールブック」を使ってアルムナイ採用に成功されています。

リファラル採用を通した組織活性化

リーダー社員の意識・行動改革を実現したアピールブックプロジェクトとは?

上述した通りリファラル採用は採用の成果だけではなく副次的に会社の一体感の醸成や働きやすい会社づくりに貢献することがあります。弊社がご支援する株式会社アルス・ウェアーさまでは会社の魅力や課題をまとめるアピールブックの作成に思い切って社員5名をアサイン。知人に自社を紹介するときに必要な情報を取りまとめる際にネガティブな情報も発信してもらい、経営者自身が自社の組織活性化のためのヒントを得ることにつながりました。

リファラル採用の推進で社員のモチベーションが向上

社員のモチベーション偏差値が52から58へ。会社の魅力を一冊に込めるアピールブックの効果とは

リファラル採用を通して社員の働くモチベーションが向上した事例もございます。弊社がご支援するネットビジョンシステムズ株式会社さまではリファラル採用に関わる一連の業務を社員が経験することでモチベーションが向上しました。リンクアンドモチベーション社の運営する「モチベーションクラウド」で計測した働く従業員のモチベーション偏差値がリファラル採用の導入前後で52.0から58.3に変化していたことがわかりました。

まとめ

以上ですが、いかがだったでしょうか?
リファラル採用ってそもそもなんだ?という疑問は解消されたでしょうか?
導入に成功すると、リファラル採用は非常に強力な武器になります。
導入をご検討されてはいかがでしょうか?

リファラル採用研究所では今後もリファラル採用について、様々な情報提供をしてまいります!また遊びにきてくださいね!

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